2018年08月05日

2018短答本試・意匠法2-枝1の変形問題

 今年度の短答本試「意匠法 問題2 枝1」は論文向け学習題材として「良問」です。

【意匠】2−1
意匠に係る物品を「一組のひなセット」とする組物の意匠登録について、内裏びな以外のひな人形が含まれていないことを理由に、意匠登録無効審判を請求することはできない。


 無効審判では、8条が対象となっておらず、よって、8条要件違反を理由に、無効審判を請求することはできません(48条)。

第四十八条 意匠登録が次の各号のいずれかに該当するときは、その意匠登録を無効にすることについて意匠登録無効審判を請求することができる。
一 その意匠登録が第三条、第三条の二、第五条、第九条第一項若しくは第二項、第十条第二項若しくは第三項、第十五条第一項において準用する特許法第三十八条又は第六十八条第三項において準用する同法第二十五条の規定に違反してされたとき(・・・かっこ内省略・・・)。



 さて、仮に本問で問われている事項が「拒絶査定の理由となり得るか?」であったとすれば、結論はどう変わるのでしょうか?

 構成物品が適当でない場合を含め、8条の要件違反は拒絶査定の理由となり得ます(17条1項1号)。

第十七条 審査官は、意匠登録出願が次の各号のいずれかに該当するときは、その意匠登録出願について拒絶をすべき旨の査定をしなければならない。
一 その意匠登録出願に係る意匠が第三条、第三条の二、第五条、第八条、第九条第一項若しくは第二項、第十条第一項から第三項まで、第十五条第一項において準用する特許法第三十八条又は第六十八条第三項において準用する同法第二十五条の規定により意匠登録をすることができないものであるとき。



 論点を「本事例の構成物品は適当か否か」に絞りましょう。

 ここで、意匠法施行規則の別表2に「一組のひなセット」が定められており、また、構成物品については審査基準で次のような記載があります。

<審査基準>
組物の意匠は、原則、それぞれの「構成物品」の欄内に掲げられる全物品を少なくとも各一品ずつ含むものでなければならない。

「6 一組のひなセット」の構成物品
  内裏びな
  三人官女
  五人ばやしびな
  左右大臣びな


 それでは、審査基準をベースに「構成物品は不適当」と結論付けてよいのでしょうか?

第八条 同時に使用される二以上の物品であつて経済産業省令で定めるもの(以下「組物」という。)を構成する物品に係る意匠は、組物全体として統一があるときは、一意匠として出願をし、意匠登録を受けることができる。

 8条(組物)は条文上「構成物品が適当」という要件は明示されておらず、あくまでも「同時に使用される2以上の物品」であることを要件として求めています。

 審査基準は法令ではありません。論文では、審査基準を自分の考え(解釈基準)に取り込んで結論を出すのはOKですが、審査基準を根拠として結論を導くことはNGとなりますので注意しましょう。

 本事案(内裏びな以外のひな人形が含まれていない)が「同時に使用される2以上の物品」に該当するのか否か、該当し得るのか否かを考えてみてください!

弁理士 論文ゼミ(目白ゼミ)
今年度の短答本試の解説等を公開中!


posted by 目白ゼミナール at 16:18| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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